コラム・レポート

07年F1、トヨタは個々に優秀も全体の統合力が課題(45)

07年F1、トヨタは個々に優秀も全体の統合力が課題(45)トヨタ、2007年新車の披露会。後から見ると「船頭」が多すぎたともいえる。

【モータースポーツを拡げろ!】ホンダの低迷とともに、F1の世界では2007年シーズン、トヨタも残念な成果しか上げられなかった。コンストラクターズ選手権で2006年と同じ6位という成果だったものの、ポイント数は35から13と、大幅に下げている。

一因として言われているのが、2007年限りでトヨタから離れたラルフ・シューマッハーの能力への疑問符だ。「速いが荒い」という評価が久しくまとわりついていたラルフだが、近年では着実な走りも見せていた。兄のミハエルに比べれば劣ってはいたが、彼の責任にするのはやや難があるかもしれない。


トゥルーリの腕を持ってしても、第7戦米国GPで6位入賞がやっと、というシーズンであった。

相棒のヤルノ・トゥルーリはどうか。2004年にルノーに所属している時代、モナコGPで優勝し、他の戦闘力に劣るチームに在籍中も速さを見せており、彼の才能のポテンシャルは否定のしようがない。もちろん、予選で速いという定評通り、瞬間の勝負には強いが、本番のレースではその能力の高さがあまり発揮されていない、という点はあるだろうが。

では、チームの体制だろうか。富士スピードウェイを傘下におさめたトヨタが、初めてのお膝元でのシーズンということで、気負いが空回りしてしまったとも考えられる。しかしそれはあったとしても、精神的な弱さが1年続くほど、脆弱な組織ではないはずだ。レースごとに、パーツやセットアップも改善を細かく施して対応もしていた。

ラルフにかわって2008年にトヨタに乗るグロックは、チーム代表の山科忠(やましな・ただし)に迎えられる。

総合的に考えると、それぞれがみな努力していたのだが、その良さがちぐはぐにかみ合ってしまったのが大きな理由ではないだろうか。シーズン前の開発やテストでは、トップのフェラーリ、マクラーレンには及ばないものの、4位グループには十分入り込むとの予想も多かった。

しかし、ふたを開けてみると、予選はいいが、レース本番はダメだった。レースのコンディションはよいのに、予選でうまくいかなかったため上位に食い込めない。こんな状況続きの1年だったわけだ。細かい改善点がすばやく出てくるという技術力、総合力は持っているものの、対処療法でしかなく、ゼロベースでの対応ではなかったように感じる。

トヨタの育成プログラムで育った小林可夢偉が、トヨタ来期のサードドライバーの座に就いた。

分業でうまくいっても、その最終形のコーディネートは、トヨタの「カイゼン」を超えた強いリーダーシップがあってこそだ。F1とは、実はそういう世界なのかもしれない。着実な基盤の上に立つ強さ。トヨタの来シーズンは、ここに期待しよう(敬称略、【モータースポーツを拡げろ!】はモータースポーツについて毎週末に掲載します。若手ライターの平本真樹さんが書いています)。
富士スピードウェイ

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