コラム・レポート

スピードへの憧れが、レースを永遠にする(50)

スピードへの憧れが、レースを永遠にする(50)2007年最終戦ブラジルグランプリに出場したレーサー。常に世界最速の走りを求められている。

【モータースポーツを拡げろ!】6月に始まったこの「モータースポーツを拡げろ!」連載も今週で終わりとなる。モータースポーツ関係者や、自動車メーカーのスタッフ、一般の読者のみなさまなどから、いろいろな反応を寄せて頂いた。

とくに2007年は富士スピードウェイで30年ぶりにF1が開催されることもあり、ひじょうに注目されていた年であったと言えよう。


30年ぶりに富士スピードウェイで開かれた2007年9月の日本グランプリで疾走するヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハ。

ガソリンが高騰して1Lが150円を超えるという状況になり、石油ショックの後遺症が残っていた1980年頃の記憶を彷彿とさせるが、モータースポーツはそれに対抗して活気があるように見える。単に広告塔として走らせているという役割から、クルマに関する技術を純粋に追求する場として使うという、チカラの入れ具合が一つ挙げられるだろう。

そして、やはり人は、速いものに対する潜在的な憧れがあるのだろう。「駆け抜ける喜び」とは、BMWのキャッチフレーズだが、自ら操って、疾走したいという気持ちを持つ人は少なくないようだ。しかし、クルマの性能、道路の制約などで自分では実現できない。だから、レースで、駆け抜けていくドライバーの技術と心意気に、ひかれてしまうのだろうと思われる。

ブラジルGPを走るヤルノ・トゥルーリ。

F1マシンは、いったいどのくらい速く走れるのか。レース中では、ハイスピードサーキットとして知られるモンツァサーキットで2005年に行われたイタリアグランプリ(GP)で、当時マクラーレンチームにいたキミ・ライコネンが370.1km/hを記録したのだ。

また、F1マシン自体の最高速の記録には2006年にホンダが挑んだ。場所はアメリカ・ユタ州で、ソルトレイクシティにほど近くの、文字通り塩湖に設けられたボンネビル・ソルトフラッツ・スピードウェーというコースだ。

表面がフラットなため、最高記録を競うための基準となっている場所である。ここで、400.459 km/hを叩き出した。リアウイングを変形させ、不必要なダクトなどをふさぐなど、レース仕様ではないが、400kmを超えるスピードを出したのだ。このマシンは非公式では413km/hという数字も出している。

もちろんレースは、最高速というスピードで競うだけではない。ハイスピードから、ぎりぎりまで我慢して減速し、カーブに飛び込む、また、そこからわずかな時間でスピードを上げていく、といった、ハイレベルなマシンの操作技術にこそ、畏敬の念が向けられるのであろう(【モータースポーツを拡げろ!】はモータースポーツについて毎週末に掲載します。若手ライターの平本真樹さんが書いています)。
富士スピードウェイ

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