コラム・レポート
08F1で一貴、可夢偉は琢磨を超えられるか(51)
【モータースポーツを拡げろ!】2007年のモータースポーツを振り返り、2008年の展望をみてみよう。全体を見るには紙面が足りないので、日本人、日本のメーカーを中心に取り上げてみる。
俯瞰すると2007年は、実験と仕込みの時期であった、と強く思う。リニューアルされて30年ぶりにF1が行われた富士スピードウェイにしろ、中嶋悟(なかじま・さとる)の息子、一貴(かずき)のF1デビューにしろ、大いなる第一歩が2007年に記されたように感じる。
また、スーパーGTやフォーミュラ・ニッポンでの拮抗した争いも2008年の「ヒーロー」出現への序曲だったのではないだろうか。
実験といえば、やはりホンダのチャレンジだろう。結果はついてこなかったが、トップチームの模倣では新しい頂上は見えないということで、独自のマシン開発を模索した。これこそ、ホンダのもつ企業遺伝子の表出のひとつだろう。
また、日本人ドライバーにも新しい波が来ている。これまで、佐藤琢磨(さとう・たくま)が孤軍奮闘の様相で頑張っていたが、中嶋一貴の2008年シーズンのウイリアムズチームからのフル参戦、そしてトヨタチームがサードドライバーとして小林可夢偉(こばやし・かむい)の起用を決めるなど、頼もしいニュースが飛び込んできた。これら日本人ドライバーが2008年にどんな活躍を見せてくれるのだろうか。
これ以外でも、日本の自動車メーカーによる支援プログラムが、具体的に花開く段階となってきているのは間違いない。
レースを行うサーキットに目を転じてみても、富士スピードウェイにしろ、隔年で日本GPが行われる鈴鹿サーキットにしろ、単にモータースポーツの観戦を楽しむ、というだけにとどまらなくなっている。
自らが走る喜びを味わうために参加するイベントや、広いフィールドを活用しての企画が増えてきた。スピードの競争を見るという意味合いから、イベント内容がバラエティに富んできた流れは、クルマの楽しみ方に幅や奥行きが付け加えられてきた証とも言える。
2007年の大きな悲しい出来事といえば、2輪の世界だろうか。ロードレース世界選手権で、500CCのバイクを操るクラスで3度の優勝を果たした阿部典史(あべ・のりふみ)が、一般道を走行中にUターンしてきたトラックと衝突し、32歳という若さでこの世を去った。
排気量の小さい125CCや250CCといったクラスでは多くの活躍が見られた日本人だが、500CCでは近年で傑出した走りの才能を持った選手だった。
さて、F1では1月から新車のお披露目が始まる。2008年はどんな選手が、どんなチームが、素晴らしい走りを見せてくれるのか。今からあれこれ予想するだけでも、あっという間に時間が経ってしまいそうだ(【モータースポーツを拡げろ!】は今回で終了します。ご愛読ありがとうございました)。
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