コラム・レポート
水谷豊と寺脇康文の「相棒」がGW1位(62)
【yokoso銀座キネマ館】前回、出足不調なゴールデンウィーク作品について書いたが、5月1日公開の「相棒-劇場版-絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」が、東映系としては、記録的な大ヒットになっているという。
前売り券の売れ行きがひじょうによく、GW唯一の大ヒット作品になりそうな空気が感じられ、予想通りの出足で、順当にナンバー1となった。
ご存知のように「相棒-劇場版」は、テレビ朝日の人気ドラマの映画化である。土曜ワイド劇場の2時間ドラマとしてスタートした「相棒」が、次第にファンを拡大しており、今回の映画化につながった。
水谷豊(みずたに・ゆたか)、寺脇康文(てらわき・やすふみ)という、あまりイマドキではない主演2人のドラマだが、しっかりとした内容で6年間じっくりファンを育成した結果が、今回の大ヒットにつながったのだろう。ジャニーズやアイドル系役者主演ドラマの映画化とは、手作り感の違う作品である。
東映からは、2年前正月映画として大ヒットした「男たちの大和」の興行収入51億円を超える勢いだと発表された。50億円越えは景気づけかもしれないが、30億円は超えるのは確実だろう。
主演の水谷豊だが、大変個性的な役者である。手塚治虫(てづか・おさむ)のマンガをドラマ化した「バンパイヤ」で、子役デビューした。人気ドラマ「太陽にほえろ」では、第1回の犯人役で出演しているが、ブレイクしたのはご存知1974年の日本テレビドラマ「傷だらけの天使」での乾亨役である。
萩原健一(はぎわら・けんいち)との絶妙のコンビが繰り広げるこの「バディドラマ(2人1組によるドラマ)」は、それまで眠っていた水谷豊のキャラクターを、絶妙に引き出した。
その後、NHK土曜ドラマの名作であり、山田太一(やまだ・たいち)脚本の「男たちの旅路」では、主演の鶴田浩二(つるた・こうじ)と反目する若いガードマン役を好演した。軽薄だけど、憎めない若者を演じたら、右に出る役者はいなかったのではないだろうか。
映画では、1976年のATG作品「青春の殺人者」に主演した。長谷川和彦(はせがわ・かずひこ)監督のデビュー作となるこの映画では、尊属殺人をする若者を演じ、日本中に衝撃を与え、各賞を総なめにした。乗ってる勢いだけではなく、演技力の高いことも、この映画で証明された。
1978年のドラマ「熱中時代」ではユーモラスな熱血教師を演じ、イメージチェンジすると共に、お茶の間の人気者にもなった。水谷豊の1970年代の代表作である「傷だらけの天使」と男たちの旅路」、「青春の殺人者」の3本は、今もって光を放ち続けている不朽の名作といえる作品である。
1990年代は2時間ドラマ中心で、目立った活動は少なかった水谷豊が、久しぶりに主役でスクリーンに帰ってきた。その事実だけでも「相棒-劇場版」は、価値のある作品である(敬称略。映画業界に精通しているハチさんが「銀座キネマ館」の支配人として不定期に映画の話を書きます)。
相棒-劇場版-絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン




